川口市の死亡ひき逃げ事件 小学校教頭に懲役2年の実刑判決
さいたま地裁 自転車女性死亡、救護せず立ち去る
2019年3月26日 さいたま
埼玉県川口市で2018年7月、自転車に乗っていた女性を車ではねて死亡させ、そのまま逃走したとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)および道路交通法違反(救護義務違反=ひき逃げ)の罪に問われた埼玉県内の小学校教頭、田中嘉明被告(55)に対し、さいたま地方裁判所は26日、懲役2年(求刑・懲役3年)の実刑判決を言い渡した。 ()
事件の概要
判決などによると、事故が起きたのは2018年7月28日午前2時ごろ。
川口市東本郷の市道を乗用車で走行していた田中被告は、自転車で走行していたフィリピン国籍の飲食店従業員イトウ・ジョセフィン・ラメダさん(当時56)に追突。ラメダさんは全身を強く打ち、搬送先の病院で死亡した。 ()
しかし田中被告は事故後、救護や警察への通報を行わず、そのまま現場から立ち去ったとされる。 ()
現場は夜間でも見通しの良い直線道路で、裁判所は「追突するまで自転車に気付かなかったという説明は不自然であり、過失は重大」と指摘した。 ()
飲酒の疑い
事故当日、田中被告は勤務先の校長らと飲食店で酒を飲んだ後に帰宅途中だったとされる。
帰宅後、妻に対して「運転代行を利用した」などと説明していたことから、裁判所は「飲酒後の事故が発覚するのを免れたいという気持ちがあったと推認できる」と述べ、強く非難した。 ()
裁判の経過
田中被告は初公判で起訴内容を認めたが、その後の審理では黙秘を続け、事故の詳細について自ら説明することはなかった。 ()
判決で裁判所は
- 夜間でも見通しの良い道路での事故
- 被害者を救護せず逃走した行為
- 飲酒発覚を避けようとした可能性
などを重く見て、「執行猶予付き判決は相当ではない」として実刑を言い渡した。 ()
遺族の訴え
裁判では、被害者の娘が被害者参加制度を利用して出廷。
突然母親を失った無念を語り、「真実を知りたい」と訴えたが、被告から事故の詳細な説明は最後までなかったという。 ()
事件の時系列
- 2018年7月28日 午前2時ごろ
川口市東本郷の市道で事故発生 - 2018年7月
小学校教頭の田中嘉明容疑者を逮捕 - 2019年2月
さいたま地裁で初公判 - 2019年3月26日
懲役2年の実刑判決
この事件は、教育現場の管理職である教頭が飲酒後にひき逃げ死亡事故を起こしたことから社会的な衝撃が大きく、全国ニュースとして報じられた。